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ギターワンポイントアドバイスadvice

ギターのボディ形状とギタージョイントについて

木材の材質との相互関係 ギターのボディ材、ネック材、指板材の様々な種類の組合せにより基本軸となる音質が決まります。
木材にはそれぞれ特徴がありますのでネットで音質や音色等の特徴を調べることが出来ると思います。
またバスウッドやセン等の木材の表面を手の甲で軽く叩くと音質が軽いとわかりますが、燻煙乾燥木材やローステッドウッドを手で叩くと輪郭がハッキリして音質がカラッとします。
ただし燻煙乾燥木材やローステッドウッドともメリット、デメリットがありますので詳しくは燻煙乾燥木材加工について燻煙木材のメリットデメリットローステッドウッドについてをご覧ください。

音色については、ブリッジの素材、ナットの素材、ピックアップ、配線材、ハンダ材等の組み合わせで音色が決まります。
トラスロッドは素材や構造により音色やネックの反り修正等は異なりますが、素材によりネックの伝達が異なります。
ピックガード材は厚みや種類により異なりますが、詳しくはギターワンポイントアドバイス内のピックガードの素材をお読み下さい。、
特に弦と接触するブリッジの駒、弦を支えるブロックの材質やテールピース等、ナットの種類の組合せにより大きく音色が異なります。
特にブリッジやナットは某有名動画サイトで材質により音色が異なる動画がありますので参考に調べて音色を確認することをお勧めいたします。
ギターブリッジについて ギターブリッジには様々な種類があり、そしてギターブリッジの材質によっても音質や音質等も異なります。
一般的には鉄が使用されますが、近年では錆び難いステンレス素材が使用されたギターブリッジもあります。そして一般的な鉄と比べて音質や音色等は少しだけ硬質ですが輪郭がハッキリした音質となり音抜け等はステンレスの方が優れていると一般的には云われております。
真鍮はナットにも使用されている通り、煌びやかで音抜けもよい素材なので主にフローティングブロックやブリッジサドル等にも使用されています。
近年ではチタン合金素材も使用され、チタンは主に素材が軽いため音抜けがよく、サスティーン等も良くなります。
詳しくはYouTubeでも紹介しています。
なおブリッジを固定するビスを鉄ビスからステンレスビスへ変更することにより錆び難くなるだけでなく若干ですが、音質にも良い影響を与えることが可能となります。
 ペグについて ペグには様々なメーカーから沢山のモデルが販売されていますが、基本的には弦を張った時にペグの軸が動かないことが一番重要だと云われております。
また弦を固定することでチューニングの安定度も高くなりますのでロッキングペグをお勧めいたします。
なおゴトー社製から販売されているロッキングペグにはHAPMと云われる1弦から3弦までの弦の高さを変更することで角度無しヘッドに使用するリテーナー(別名テンションピンまたはテンションバー)が不要となるだけでなく、理想的な弦角度にすることが可能となります。
ただしロックナットを使用する場合には弦とロックナットとの間に隙間が発生するため必ずテンションバーを使用する必要があります。
 ピックアップについて          パッシブピックアップ
ギターに使用されるピックアップにはシングルピックアップ、ハムバッキングピックアップ等があります。
シングルピックアップの特徴としては主にテレキャスやストラト等に搭載されているパッシブピックアップは特に煌びやかなハイを特徴とする一方、外部からのノイズに弱いという欠点があります。
そのためノイズを軽減させるための対策が必要となります。
 パッシブハムバッキングピックアップ
ハムバッカーピックアップの特徴としては同じ巻き数のピックアップを並べることでハムキャンセルことでノイズを軽減させることを特徴とし、そして出力が高く出来るためシングルピックアップと比べて音を太くすることが出来る。ただしピックアップ内部にロー浸けしていない場合はノイズが目立つ場合もある。
そのためノイズを軽減させるための対策が必要となります。
 アクティブピックアップ
特にEMGが有名でパッシブに比べて薪数が少なく弱い磁力を使用しているためノイズに強いのが特徴で倍音性能、サスティーン、ラインのり、エフェクターのりが良い。
またプリアンプで増幅させ、出力自体も低インピーダンスとなっていることで、長いケーブルを使用してもノイズの影響を受け難く、音の劣化も少ないのが特徴です。ただし電池が必要となりますし、外部からのノイズを軽減させるためにノイズ対策は必要となります。
 レースセンサー
 ゴム磁石等を配した特殊構造で、特殊構造発電システムで信号を作り出し、電池のいらないパッシブピックアップでありながらローノイズであるのが特徴。ただし外部からのノイズを軽減させるためにノイズ対策は必要となります。
 アクティブサーキット
ピックアップがパッシブで別途インピーダンス下げる目的のブーストやイコライジング等を含んだ回路を搭載したものとなります。そのため電池が必要となります。
アクティブピックアップと同じく、ノイズの影響を受け難く音の劣化も少ないが、外部からのノイズを軽減させるためにノイズ対策は必要となります。
また切り替え時にパチンと音が鳴ってしまうことが多い。
 ネック材の柾目材のメリットデメリット    柾目材のメリット
人工乾燥を施している柾目材の木材含水率は8%〜10%くらいの木材乾燥度となっておりますので木材の反りをある程度出しております。
柾目材の木表と木裏の膨張の差がないため板目よりも順反りや逆反り等が反り難くなり、湿度や気温の変化による変形も起き難い。
燻煙木材乾燥後は後は3%〜5%くらいの木材乾燥度となっておりますので木材の反りを十分出しておりますのでなかなか順反りや逆反り等は滅多にありません。ただし加工段階において異なります。
柾目材のデメリット
人工乾燥のみの柾目材は縦方向に木目が並んでいるため横方向に力には弱いのでネック材の強度、木材乾燥度合、木材の性質により弦張力によって木材が横方向に反ってしまうことがあります。
ネック材の板目材のメリットデメリット  板目材のメリット
人工乾燥を施している柾目材の木材含水率は8%〜10%くらいの木材乾燥度となっておりますので木材の反りをある程度出しております。
板目材は柾目材と比べて縦方向と横方向のどちらからの力に耐えられる強度が強いので弦張力による順反りや逆反りまたは横方向の反りにも対応することが可能となります。
燻煙木材乾燥後は後は3%〜5%くらいの木材乾燥度となっておりますので木材の反りを十分出しておりますのでなかなか順反りや逆反りまたは横方向のそりやネジレ等は滅多にありません。ただし加工段階において異なります。
柾目材のデメリット
人工乾燥のみの板目材は湿度変化の影響が受けやすい素材なため木材の反りが出やすいのでネック材は出来るだけラッカーやウレタン塗装等で木材を保護しないと手汗等でも反る場合があります。
また人工乾燥のみで板目材をネック材を加工すると異方向に乾燥収縮しているためギター完成後にネジレ等が生じる場合があります。
ただし燻煙木材乾燥等で木材を加工している場合は強度が増しますのでネックのネジレは起き難くなりだけでなく塗装もオイルフィニッシュにすることも可能となります。 
 ツノ
(ストラップピンを付けるボディ部分の尖った部分とその逆側部分)   
メリット
基本的にツノは太くて長いほうがサスティーンが長い傾向にある。
ただし木材の材質やパーツの影響により多少異なる場合もある。
デメリット
ツノが細く、材厚が薄く、長いと万が一ギターを倒した時にボディの先端が折れたり欠けたりする。 
 カッタウェイ    メリット
カッタウェイの形状は丸みが大きくて、形状が広いほうが手首にカッタウェイが当たらずに高音域が弾きやすい。
 デメリット
カッタウェイの形状は丸みが小さく、形状が小さいほど手首にカッタウェイが当たり高音域が弾き難い。
 ネックジョイント の深さ ジョイントが深いほど音の鳴りとサスティーンも長い傾向にあり、素材にもよりますが20mm以上はあまりかわらないとされています。 
 ネックアングル  セットネックギター等のネックジョイント部分に接合角度を持っている場合は、接合角度が付けば付くほど張りのある音になりやすい反面、サスティーンは落ちます。人によって弾き易さは異なるかもしれませんがLPタイプではベストの角度は3度前後が一番弾き易いと云われております。
 エスカッションあり ボディ材からの振動を直接受けないため甘い音色になり、材質によっても音色は微妙に異なる。
 エスカッションなし  ボディ材から直接振動を受けるためタイトでワイルドな音色になる。
 バインディング       メリット
ギターのボディやネックのヘッド等にバインディングを入れると見た目がカッコよくなる!
なお木材を使用したナチュラルバインディングもあるが、基本的には巻かれていない。
ただし木材でのバインディングは巻くのに非常に手間が発生するため製造コストが高くなる。
 デメリット
経年変化やちょっとした衝撃で割れたり、欠けたりすることがあり、修理費も意外と高い。
バインディングを専用の接着剤を使用してしっかり固定しても木材の材質との相性によってはバインディングが剥がれてしまう事があり、バインディングを使用する場合、ボディ側はナチュラルバインディングがお勧めである。
ただしギター製造によるバインディング巻きとバインディング加工は日数が発生するためコストによる金額も掛かるのであまりお勧めいたしません。
 超デメリット
現在でもギターにはセルロイドの素材が使われており、このセルロイドは第5類危険物指定に認定されています。
経年変化やちょっとした湿度、温度等の変化でも大変燃えやすい素材であるため取り扱いが難しい素材であり当工房ではセルロイド素材のバインディングは使用していません。
そのためバインディングは安全性の高いABS樹脂等での素材となるため種類が少ないのが難点となります。
 12平均律フレット   
 メリット
現代の音楽では全ての転調をスムーズに移行できるように音程を均等な周波数比で分割した12平均律のギターが製作されおり、12平均律フレットにすることで演奏の幅が広がり易くなります。
また円錐指板または円筒指板共にフレットプレスを使用して金属製のフレットを指板のフレット溝にプレスして入れるのでフレット浮は起き難くなります。
 デメリット
12平均律ではスムーズに転調させるために唸りが多く含まれており、純正率が少ないのワウワウとした音が鳴ります。
このワウワウという音の唸りはゼロビート周波数(うなり)と云い、この唸りは周波数測定器で計測をすると2つの音の近い周波数が同時に耳にしている状態となっており周波数差に等しい単音をきいたように錯覚するのでワウワウとした不協和音の音色が12平均律の音となっている。
つまり現代のギターはスムーズに転調させるための妥協案で12平均律のギターが製作されています。
Tempeament Fret     メリット
Temperament Fretは不均等12平均律で製作されており、純正率が多くなるためゼロビートの歪みが少ないので音がスゥーと抜け、さらにサスティーンが長くなりやすくなる傾向なので気持が良い音質や音色等を提供すること出来、さらに多彩なチューニングや様々な転調での演奏できるように調整がされています。
またドラムやベース等の楽器と演奏した場合でも音が潰れにくくなるもの特徴です。
 デメリット
12平均律ではスムーズに転調させることが可能となりますが、Tempeament Fretは一部の転調はスムーズに行かない場合もあり、また弦が太くて極度なダウンチューニングや一部のダウンチューニングまたは一部のチューニングには対応していないのが難点です。
有名なTrue Temperament Fretも対応していないチューニングやダウンチューニングもあります。
なお金属製のフレットは指板のRに合わせて曲げた後にぐにゃぐにゃと曲がったフレット溝に合わせてフレットを曲げるので、かなりの技術が必要となります。
また指板のフレット溝にフレットを入れても必ずセンター付近のフレット浮が起こり易いので、必ずフレットセッターでフレットを打ち込んだ後にフレット浮の確認が何度も必要となるため労力が必要となります。
そのためTempeament Fretは高額となるのもデメリットとなります。
 フレット         ニッケルシルバーフレット
ニッケルシルバーは洋白と云われ銅50%〜70%、亜鉛10〜30%、ニッケル5〜30%を混ぜた合金を示し、一般的に銅の含有率が50%を超えたものが多いのが特徴。
銅が混ざっているので音質は柔らかく、経年変化によるフレット表面錆または変色もあり、弦の接触によるフレットの摩耗は早い為フレットすり合わせが必要で安価なギターから高価なギターまで使用されている。
近年では硬度を高くして弦による摩耗度を低くしている物もある。
 キュプロニッケルフレット
キュプロニッケルは白銅と云われ銅主体でニッケル10〜30%の合金で白銅に亜鉛が入れば洋白のような感じになりますが、近年では少し硬度を上げるためにマンガン、鉄、アルミを入れている商品もある。
しかしながら銅が混ざっているので音質は柔らかく、経年変化によるフレット表面錆または変色もあり、弦の接触によるフレットの摩耗は早い為フレットすり合わせが必要で安価なギターから高価なギターまで使用されている。
 ブロンズフレット
ブロンズフレットは真鍮なので銅と亜鉛を混ぜたもので一般的に亜鉛の含有量20%以上含まれたものを示す。
銅が混ざっているので音質は柔らかく、経年変化によるフレット表面錆(緑色)または変色もあり、弦の接触によるフレットの摩耗は早い為フレットすり合わせが必要で安価なギターから高価なギターまで使用されている。
真鍮なので色は金色です。
 スチールフレット
 某有名メーカーで採用されているスチールフレットですが、フレットすり合わせ後に必ず防錆処理をしないと必ず錆びるので錆止め加工も必要で、フレットも合金ですが、あまりお勧めできません。
 ステンレスフレット
ステンレス は錆びによる変色や経年変化による錆が発生しないため近年では多くの高級ギターに使用されております。
ステンレスフレットの硬度は高いため音色は固めで、ニッケルフレットやブロンズフレット等と比べると弦摩耗によるフレットのすり減りは少なく、フレットの感触が良い為演奏しやすく、フレット表面が滑り易い為チョーキングもやりやすいのが特徴でハッキリとした輪郭のある音色が特徴です。
ステンレスフレットの音色は硬めなので音色を柔らかくするために合金を入れて音色を柔らかくしている商品も近年ではありますが一般的なステンレスフレットとあまり音色は変わらないと云う人もいます。
ただしナットの弦高が低いとキーンとした音色も発生することがあり、さらにリペアによるフレット交換では高価になりますので注意が必要です。
 合金チタンフレット
銅、錫、鉄、チタン等で製造されたフレットですが、美しく柔らかく上品なジャキジャキ感(キンキン感の強いステンレスとは異なる。)のような音色でフレットの色は金色です。
ただしこのタイプのチタンフレットの硬度はステンレスとニッケルとの中間辺りの硬度なのでステンレスよりも消耗度は若干早くなりますが、フレット自体が高額でフレットすり合わせやテンションすり合わせはステンレスフレットと略変わらないのでステンレスフレットと同じ金額(フレットすり合わせやテンションすり合わせ)となります。
有名なのがJescarのEvolutionが有名ですが、難点としては硬度が高いので折れやすい。
 チタン合金フレット
チタン合金で製造されたチタンフレットも近年では製造されていますが、指板に入り難く、曲げ難く、フレットが切り難く、フレット溝にチタンフレットを入れるのに3日、フレットすり合わせに5日前後、テンションすり合わせに5日前後日数が掛かりますので地獄(8時間くらい×日数)です。
それもそのはずで硬度がなんとHV350以上もあるので通常のフレットカッターでは切れませんので特注の大型カッターとなります。
色はチタンなので銀色です。
燻煙処理やローステッドウッドを使用していない場合での音色は、アンプが無くてもかなりハッキリした輪郭とブライトな音色が特徴です。
ただしアンプを使用すると、キーンとした独特なノイズやきしみ音みたいな音も出やすいのでよほどのことがない限り使用は控えた方がよいかと思います。
エレキギターではステンレスフレットまでの方がよさそうです。
ただしチタンフレットに交換した場合は日数がかなり掛かりますのでフレット交換だけでも20万円以上は軽くするかと思います。
個人的にはクラシックギターよりかなと思います。
ホロウギター     メリット
ホロウギターはFホールに穴が開いているので、音抜けと音がまろやかなのが良い特徴となります。
ボディ材の中が空洞なので通常のギターよりも軽いのが特徴です。
 デメリット
Fホールに穴が開いているので埃が入りやすく埃や電磁波等によりノイズが入ることがあります。
バック材を多く掘るためギターを倒したり、ぶつけたりした場合は木材に大きなヒビや欠け等が発生する場合がある。 
配線修理時には配線を見えないようにしなくてはなりませんので修理費用も少し高くなります。近年では裏蓋を設けることで対処しているメーカーもある。
ボデイの材厚が厚く演奏に慣れるまでに時間と日数を要することがあります。
 近年のホロウギターの主流について
通常のホロウギターのボディ材よりも 近年では材厚を薄くしFホールを無く(Fホールがあるメーカーもある。)し、チェンバーと云われるボディ材の一部を空洞にしてトップ材を貼り合わせる事が主流となっている。       
これによりボディ材を軽くし、音抜けも良いが音も丸くすることも可能である構造である。
ただしドロップトップ加工やトップ材との組み合わせは高額になりやすいので注意が必要です。
 シンプルモード配線   
配線の特徴は下記以降の配線材の素材と太さについてをご覧下さい。
 メリット
シンプルな配線にすると音の輪郭が出やすく鮮明差がハッキリ出やすい。
イメージだと一本の線からあまり枝分かれをしていない配線にすると電気が通りやすい。
つまり出来るだけ必要最小限の配線にした方が音が潰れ難く、音抜けが良い。
 デメリット
電気信号は余分な電気部品が多いほど音の輪郭が出難いので音が潰れたり、ドラムやベースサウンドに埋れてしまう場合がある。
Bolt-on Heelless
Neck JointT      
 メリット
フロントピックアップまでネック接合構造が接合しているためサスティーンや鳴り等良い。
スルーネックのようにヒールレスカット形状が出来る。
接合構造付近を把持している指で6弦の24フレット等を弾くとカッタウェイや前端部に接触しないでスムーズに弾くことができる。
 修理コストがセットネックやスルーネックに比べ金額が安い。
 デメリット
 ネックとボディの製作に時間が掛かる。
 製作コストが若干高い。
 ネックを取外すまでに少し時間が掛かる。
ネックを取外す時にフロントピックアップに引っ掛かることがあり、フロントピックアップ形状の塗装面の1部に強く当たるとフロントピックアップ付近の塗装面の一部が損傷することがある。
 必ずトップ材が必要です。
 ネック接合部の角度付きネックが出来ない。
Bolt-on Heelless
Neck JointU           
 メリット
ボディ材とネック材を別々に加工して、ネックジョイント部分をビスで接合する構造である。ネックに異常が発生した場合はネック交換が素早く出来る。
通常のデタッチャブルギターよりも弦振動が良く、ネック接合がセットネック構造に近いため鳴りが良い。
スルーネックのようにヒールレスカット形状が出来る。
高音域付近を弾くとスムーズに弾くことができる。
例えばスイープピッキング等(ただし慣れが必要)
 修理コストがセットネックやスルーネックに比べ金額が安い。
 LPタイプやSGタイプに代表される角度付きネックジョイントでの製作も可能で、ネック角度を付けたい場合は4度までのネック角度を付けることが可能である。
ただしギター製作前にネック接合にネック角度を付けることを注文用紙にて記載が必要です。                            
緩み止めネジ(振動用ネジ)でネックポケットにネック材が固定されているため弦振動によるネジの緩みは滅多に発生しません。
そして略100%弦振動の漏れがないため音質や音色等が非常に良い。
 デメリット
強度や弦振動等によりすべての木材は燻煙乾燥木材のみの加工となります。
 ネック角度をを付ける場合は、加工方法が特殊なので製造コストが高くなる。
通常のデタッチャブルギターよりも弦振動が良いために一般的に使用されているネジは使用出来ません。
そのためネジは振動用の特殊ネジとなるためネジの色は黒一色なのが難点。
 ボルトオンネックジョイント       メリット
ボディ材とネック材を別々に加工して、ネックジョイント部分をビスで接合する構造である。ネックに異常が発生した場合はネック交換が素早く出来る。
 デメリット
 一般的なボルトオンジョイントギターの接合部がテーパー状で接合されているために経年変化や木材含水率等の影響で接合部にズレが生じることがある。
接合構造付近を把持している指で6弦の最終フレット等を弾くとカッタウェイや前端部に接触してスムーズに弾くことができない。
セットネックジョイント        メリット
ボディ材とネック材を別々に加工して、ネックジョイント部分を接着剤で接合する構造である。ネックが接合部に深く接合されているためにサスティーンと温かみのある音質になりやすい。
接合部に接着剤を使用しているため接合部にズレは生じ難い。
 デメリット
 ネックに異常が発生した場合、ネックを交換することに手間と時間が掛かる。
 修理コストが高い。
接着不良により極微小の衝撃によりネック本体が外れることがある。
特に某有名メーカーの海外製の製品が多い。
 製作コストが高く、製作時間が長いのであまりお勧めは出来ません。
スルーネックジョイント       メリット
ソリッドギターとして理想的な構造でサスティーンや弾きやすさ等を求めるのであればスルーネック構造がお勧め。
 デメリット
 ネックに異常が発生した場合、ネックを交換することに手間と時間が掛かる。
 修理コストが高い。
 製作コストが高く、製作時間が長いのであまりお勧めは出来ません。

ピックガードの素材

 ビスの数 ビスが多い場合ピックガードとボディの表面が密着している面積が大きいほど太く、ハッキリとした音質傾向になります。
また鉄ビスからステンレスビスへ変更することにより錆止め効果と若干ですが音質も良くなります。
 塩化ビニール1P(プライ) ピックアップ自体が強振しやすいため、コムフィルター効果で独特な癖が出やすい。
また材質の硬さや柔らかさによっても音質は変わるが、一般的には硬い素材はソリッドでトレブリーな感じになり、柔らかければソフトでタイトな音質傾向にあります。
その反面、経年変化による湿度、温度により板材が反ったりします。
 塩化ビニール3P 1Pよりも材質が少し厚いため、バランスの良い安定した音質と材質の強度がアップします。
その反面、経年変化による湿度、温度により板材が反ったり、剥がれたりします。 
 セルロイド オールドストラトのような独特の音色と色褪せ時の素材感が通好みで人気があります。
その反面経年変化によって自然発火や素材が縮んでしまうことがある。
このセルロイドは第5類危険物指定に認定され経年変化やちょっとした湿度、温度等の変化でも大変燃えやすい素材であるため当工房ではセルロイド素材のバインディングは使用していません。 
 アルミ 外来ノイズを遮断する効果がある。音質的にも中音域よりが特徴だがピッキングによってピックガードに傷が付きやすい。
 木材 ボディ材とのマッチングによって独特な質感や色合いが特徴で素材により独特な音色がありますが、胴箔シートが必ず必要で、湿度、温度によって木材が反ることがあるのであまりお勧めはいたしません。
 ブラス ピッキングアタックによって独特な音色があります。
その反面ハウリングが生じやすく、錆びたり、汚れたりする特徴のある素材です。
 銅 外来ノイズを遮断する効果が強い。
音質的にも中音域よりが特徴だがピッキングによってピックガードに傷が付きやすい。

ヘッド形状

ヘッドの大きさ  ヘッド形状が大きいほど音鳴りが良いとされているがサスティーンは短い傾向にあるとされている。
ただしボディのサイズを考慮しないとヘッドのサイズが大きいと演奏中にヘッド落ちしますので注意が必要です。 
逆にヘッドが小さいほど音鳴りは若干下がるとされているがサスティーンは長い傾向にあるとされている。
 6連タイプペグ位置 Stタイプ等の6連タイプのペグ位置の場合には、ナット本体に弦が真直ぐ通っているためナット本体に余分な負荷が掛かり難いのが特徴です。
ただしナットに弦摩擦等は発生します。
 3:3タイプペグ位置 LPタイプ等の3:3タイプペグ位置の場合には、ナット本体のペグ側の端部が枝分かれのように分かれて弦がペグに巻かれているためナット本体に負荷が掛ることで音質や音色または弦ピッチ等に影響が発生します。
また6連タイプよりもナットにかかる弦摩擦が強い傾向にあるため全体的にチューニングが安定しない傾向にある。
音程の安定度を図るためには出来る限り弦はストレートタイプに修正する必要があります。
 ヘッド角度   ストラトタイプ等のようなヘッドに角度が無いタイプの場合は、ネック強度が良く、万が一ギターを倒した時でもヘッド折れし難いとされています。
ただしこのタイプのヘッドは、万が一ヘッド折れをした場合は修理が出来ない場合もあります。
ギブソンタイプ等のヘッドタイプは、当工房ではヘッド角度は10度をベスト角度としています。
ヘッド角度がきつい程、張りのある音質になるがサスティーンは短い傾向にある。
しかしながらヘッド角度がきつい程、弦摩擦が強くなるので角度がきつい程音程が狂いやすい傾向にある。
角度が付かないほど弦の張りも弱くなり、サスティーンも長くなります。
特にマホガニー材でネックを製作した場合、ハードケースに入れた状態でも少しの衝撃でヘッド折れやヘッド割れ等が生じることがある。
ヘッドに角度が付いているその他木材も注意が必要である。
 弦のテンション 弦の張りが強いほど太くて張りのある音が出ますが、サスティーンは弦の張りが強いほど落ち安い傾向にあります。
 角度付きヘッドに使用する ロッキングペグとロックナットについて
角度付きヘッドにロッキングペグを仕様する場合、弦のテンションが強くなる傾向がある。
角度のきついヘッドは要注意(使用する場合は10度ぐらいがベスト)。
また角度付きヘッドにロックナットとロッキングペグを同時に使用すると弦のテンションが異常なほど張りが強くなりますので要注意。
円筒指板
指板については指板加工についてをご覧下さい。
 円筒指板とは
多くのギターメーカーに採用され、指板の中心線から均等にR形状をナット側から指板エンドまで作りだしている。
製作は案外簡単なので安価なタイプから高級なタイプまで使用されている。
 メリット
ギターを大量生産する場合には、Rが一定なのでギター製作会社にとっては製作しやすく、フレットが打ちやすい。
 デメリット
指板上部(ナット側)と指板エンド幅が同じ幅で指板のR形状の中心線に対して弦自体が平行であった場合には円筒指板でも問題はありません。
しかし実際のギターのナット側の幅が狭くと指板エンド側が広いため指板が順反りのような状態で弦が強引に通っている。
つまり弦を指板に押した時、弦は中心に収束されていないため弦が捻るような状態となり、184R等のきつい指板だと指板両端と中心部との間に高低差があるため特にチョーキング時に音が詰まり易く、そしてハイフレット側(24F側の高音域)のフレットの高さを低くすることで音詰まりはある程度解消はされますが弦高は極限まで下げることは出来ませんので各フレット間の音程ピッチを押さえることが難しいため音程の狂いが発生しやすくなります。
また擦り合わせ時にフレットの量が多く、想定以上にフレットを削ってしまうために指板サイドの厚みが不均一になりやすいのが難点です。
 円錐指板    
指板については指板加工についてをご覧下さい。
 円錐指板とは
例えばナット側のR形状が254R、指板エンド側のR形状が400R等で指板が形成されている。高級なギターに採用されている。
 メリット
円錐指板のR形状は中心に収束される方向が直線状であることから指板に対して弦の張り方が理想的な原理に沿って張られている。
ネックとの関係は順反りや逆反りの少ない状態となることから円錐指板のR形状はギターやベース指板の理想的な形状となる。
またすり合わせによるフレットの減りも少なく、Rのきつい低音域側の指板でもスムーズに演奏できるだけでなく、弦高を極限まで下げることが出来るようになるため各フレット間の音程ピッチの狂いも円筒指板と比べて音程の狂いが少ないのが特徴です。
そしてフレット擦り合わせ工程でもフレット減り難く指板サイドの厚みが均一なので安定したフレットを提供しやすい。
 デメリット
円錐指板に形成する場合コストと手間が掛かり、特に指板成形技術やフレット打込、フレットすり合わせ等による製作者の技術が求められる。
 スケールの長さ  スケールが短くなるほど、テンションの張りは落ち、音程は狂いやすくなる傾向にある。スケールサイズが628mm以下の場合は音程が狂いやすい。
スケールが長くなるほどテンションの張りは強くなるが、音程は比較的安定しやすくなる傾向にある。 
 スケールの長さと手の関係 特に日本人の手の大きさは外国人に比べて小さいため、指や甲の厚さも異なり、現在お持ちのギターで弾き難い場合、ワンサイズ小さいギタースケールで楽器店等で弾いてみてください。
また楽器店で様々なギタースケールサイズを試すことでご自分にあったスケールサイズがハッキリ判ると思います。
特にFコードで弾いた時に、指で押さえられない場合はスケールサイズを下げ、指がピッタリフィットしている場合には、スケールサイズが合っています。
 インレイ の量について  インレイの量が少ない
指板インレイの量が少ないと経年変化や四季毎によってインレイが盛り上がったり、盛り下がったりする現象が少なく弾き易さや音質に影響を与え難い傾向にある。
理想を言えばドッドが一番よいとされています。
インレイの量が多い
インレイの面積が広いほど楽器全体に伝わる振動や音抜け等が低下し、音質が硬くなる傾向にあり、特に音質が硬質音になりやすい。
また経年変化や四季毎によって指板インレイやヘッドインレイの盛り上がったり、盛り下がったりする現象が発生することがある。

ナットの素材

 材質  動磨耗 耐久性   音質  欠点
牛骨  ○  タイトでブライト  ややもろい
オイルナット  タイトでブライト   ややもろい
 象牙  ○  ○  タイトでブライト
牛骨よりも音が太い
 入手困難・高値
プラスチック成形   ○  △   タイトでブライト
牛骨と比べると音質は劣る。
 ややもろい
 Tusqトレムナット黒  ◎  ◎ ◎  タイトでブライト
滑り易い素材を使用しているため
ピッチが安定し長持ちする。
 ほぼない
 Tusq 白  ○ ◎ ◎  音が太い、象牙みたいな音質  ほぼない
 ブラスナット  ○  ◎  中音域が落ちやすい
音質に特徴がある。
 硬い音質でまろやかさ
が出難い
 ロックナット  ×   ◎ ◎   中音域が落ちやすい
硬い音質が特徴 
  硬い音質でまろやかさ
が出難い 

一般的なナットについての補足

ヘッド側の弦にマスキングテープを貼ると解り易いが弦溝の上を弦が通っているため常に弦摩擦が発生しフレットをポジションを押さえると極微小に弦が動いているのが確認出来ると思います。
音質はナットの素材やピックアップや木材等の種類により異なるが、ギタースケールの距離、ナットの弦高調整等がしっかりしていればチューニングの狂いは極微小である。
ただし各フレットポジションの音程の狂いは補正ナットを使用しないと音程の狂いは発生します。

一般的なナットについての補足ロックナットについての補足

素材がすべて金属のためナット本体自体は長持ちはするが音質や音色等は硬く、演奏中によるチューニングの狂いは一般的なナットのチューニングの狂いと比べてもさほど変わりません。
ただし各フレットポジションの音程の狂いは補正ナットを使用しないと音程の狂いは発生します。
またリペアにおいて一般的なナットからロックナットに変更する時に、例えばストラトタイプのナットからロックナット変更依頼があった場合、ナット溝をヘッド側に平行に削った後にロックナット本体を取付けるがナット溝の距離が足りなくてヘッド側にロックナット本体が出っ張って意匠的にかっこ悪くなったりします。
これは角度付きのヘッドも同様です。
さらに現行品のナット溝の距離が短いとロックナットの取付が不可能なので、ヘッド表面にロックナット本体を取付けることになりますので一般的なナット+ロックナットとなるためあまりお勧めいたしません。
さらに254R、305R等のロックナットも最近では流通していますが、例えば400Rのロックナットのナット溝の深さよりも254R、305Rのロックナットはさらにナット溝の深さを掘り下げることになるためトラスロッドを埋めている表面の一部を削ることになるため安易にロックナットの交換は出来ません。
このことにより同じRで同じ種類のロックナットからロックナットへの交換のみをお勧めいたします。
なおロックナットから牛骨ナットへの交換も可能ですが、指板の継ぎ目が目立つのであまりお勧めは出来ません。

ケーラーナットについての補足

上記のロックナットや一般的なナットと同様にチューニングの狂いは一般的なナットとさほど変わりません。
ただし各フレットポジションの音程の狂いは補正ナットを使用しないと音程の狂いは発生します。
また上記のロックナットで説明しているリペアも略内容は同じなので省略します。

ケーラーナットを取付けた場合によるチューニングの狂いについて
ヘッド角があるLesPaulタイプの様なギターに取付けるには、アーミングによるチューニングの狂いの発生はありますがStタイプよりかは少ない傾向です。
STタイプのヘッド角の無いタイプに付けると、アーミング前後によるチューニングの狂いが大きくなることが多い。
この場合は意匠的に悪くなるがヘッドにケーラーナットを取付けると改善されることが多く、ヘッドにケーラーナットを取付けたくない場合はシムを挟むとアーミングが改善される事が多いが、逆にチューニングが狂うことがある。
当工房ではケーラーナットやロックナットは各フレットポジションの狂いや材質による音質の硬さ等の理由からお勧めいたしません。


配線材の素材と太さについて

単線
細い単線 0.4mm(26AWG)以下の配線材で、線自体が細ければ細いほど低域は期待できませんが、メッキが施されかつコシ(張り)のある配線材は比較的、高音域が出やすい傾向にあります。
中ぐらいの単線 0.5mm〜1.0mm(24AWG〜18AWG)くらいの配線材で、フルレンジ的ですが、コシ(張り)がありバネのように弾性が高ければ高いほど音の解像度が出やすい。
逆に線が柔らかめだと音がモヤ〜としたコンモリした音質になりやすい傾向にあります。また線にメッキが施されているものは高音域が出やすく、芯のある素直な音が出るのが特徴です。
太い単線 1.2mm(16AWG)以上の配線材で、太くなるほど低音域が出やすく、撚線と異なり解像度もあるが、大味になりやすい傾向にあります。
コシ(張り)が強くバネ性(弾性)が高いと中音域が前に出やすく高音域が混じってくる時には音がうるさく感じる時もある。
 シールドケーブル  シールドケーブルには主に撚り線の周囲に網状の線を囲む構造となっているためノイズには強いが、ノイズそのものにキャパシタが発生しているためにハイ落ちしやすいという欠点もあります。
 ハイファイケーブル ハイファイケーブルは無酸素銅線に銀メッキ、テフロン絶縁をかけた配線材でロー、ミドル、ハイまで綺麗に音が出ており音抜けも比較的良い。またエフェクターののりもよいためヴォリュームを絞ってもこもり難く綺麗に音量が下がっていく感じなので激安ピックアップだと音質は明確になるので激安ピックアップはお勧めいたしません。なお無酸素銅線の純度が高いほど綺麗に音が抜けます。 
 ヴィンテージワイヤー 稀に古い配線材は現在では使用していない素材が使用されていることもあり枯れた渋い音になる傾向にありますが、アンプ直やエフェクターを少ししか使用しないで演奏するという人にはお勧めです。ただしエフェクターののりや音抜けという点では、素材により左右されるためハイファイケーブルがお勧めで、やはりヴィンテージワイヤーを使用したい場合はwestern electric Wireをお勧めいたします。 
 撚線
 細い撚線 素線が細いので電流は流れ難い。低音域は少なめですが、高音域が出やすく素線のバネ性(弾性)が高いと解像度が出やすくなります。しかし時には解像度が高いと音がうるさく感じることもあります。
中ぐらいの撚線  素線が7本の配線材が多く、単線ほどクリアさはありませんが、線に柔軟性があり撚線の構造により音質が大きく左右されます。
太い撚線 電力の大きなスピーカーケーブル等に多く使われ、素線が太いことから中音域、低音域は盛大に出るものの高音域はメッキを施された素線の撚線でないとかなり不足します。
絶縁材 
 石油系(ビニール、PVC等) 中音に独特の音詰まりがあり、ハイ(高音)が伸びない傾向にあります。
 エナメル皮膜 硬めの皮膜だとハイ(高音)が出やすく、柔らかめの皮膜だとハイ(高音)が思ったより出にくい傾向にあります。ただし銅線の素材により大きく異なります。
 素線  素線7本くらいでも硬めに巻いてある配線材は中音がリアルで、素線材質(胴)のバネ性が高ければ高いほど高音域が出やすくなる傾向にあります。

塗装について

ウレタン 下塗り、中塗り、トップコート全てウレタンにすると塗膜や耐久性等がラッカーに比べ強いので多少の衝撃では欠けたり、割れたりし難いですがタッチアップをすると傷や割れた所等が補修し難い塗料です。
また弦楽器では弦の振動を伝え難いとされている為音響上あまり良くないとされている塗料ですが、特殊な塗料が様々使用出来るのはウレタンしかないのも特徴です。
ラッカーとは異なり、中塗りやトップコートの回数が吹く無いのが特徴ですが、着色をする前に平面出しの下処理と表面に付いたゴミを除去していないと着色の痕が残りやすく、そして塗装ガンの吹き出し口を少し広くしないと塗料が出難く凹凸のあるザクリ部分等の着色はなかなか付着はしません。
そして厚く塗ると白いブクブクとした空気が混ざった痕が残りやすいので注意が必要な塗料となります。
また潰し限定となりますがタッチアップをすると傷や割れた所等が補修しやすい塗料ですがシースルー塗装やキャンディー塗装等だと色の境界線がハッキリ出やすくなるためタッチアップは出来ない。
 ラッカー   下塗り、中塗り、トップコート全てラッカーにすると塗膜が薄いため耐久性が低く、紫外線による侵食も強いのでウレタンに比べ欠けたり、割れたりしやすく、また経年変化によりガムのような粘着性がしやすい塗料です。
しかしながら弦の振動が楽器全体に伝えやすいため音響上においては優れている塗料だと云われています。
ただしラッカー塗装は塗る回数が多く大変な作業のためオーダーギターではどうしても高額となってしまうのが難点となります。
 デメリット
潰し限定となりますがタッチアップをすると傷や割れた所等が補修しやすい塗料ですがシースルー塗装やキャンディー塗装等だと色の境界線がハッキリ出やすくなるためタッチアップは出来ない。
 ヤニ止め、中塗り、着色をした後に弦振動を阻害しないように薄く20回から25回くらいトップコート(塗装)してから数日間乾燥させた後に水研ぎ、バフ掛けをした後にパーツを組み込んでギターを完成させますが、出来る限り薄く塗装する必要があるためラッカー塗装は高額となります。
ちなみに工場で販売されているラッカー塗装よりも塗膜は薄いので塗装の割れや欠け等には注意してほしい。
近年ではパウダー状の特殊塗料が開発され一部の塗料ではあるがカメレオンカラーのような変更塗料にもすることが可能である。ただし数が少ない。
 オイルフィニッシュ オイルフィニッシュは素材に膜を作らない為、木材が持つ音質や音色等をフルに出すことが可能ですが、ぶつけたり、落したりした時は保護する部分が無い為、痕跡や傷等が出来やすくなります。
ただし近年ではウレタンとオイルの複合塗料が開発され極僅かですが、傷は一般的なオイルフィニッシュ塗料よりも出来難くなっています。
またオイルフィニッシュには木材に着色が出来ないと思っている人もいると思いますが、生地に着色をすることも可能です。

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