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ギター燻煙木材のメリット・デメリットAbout the smoke wood

燻煙木材のメリットについて(個人的な感想です。)


・明確な音質と広がりのある鳴りを持っています。音が締まったような感じだと個人的には感じます。

・弦の種類や弦高等にもよるが生鳴りが良くなります。

・新しくネック製作する場合の燻煙木材は経年変化(反り、ネジレ等)を前持って出しているため一般的なネック材よりも安定性のある木材となります。

・個人的な感想ですが、新しいギターは1弦から3弦が力不足な音質や音色等が印象ですが、燻煙するとカラッカラに乾いた音が印象でレスポンスも良くなり出過ぎていた高域が抑えられ音が太くなる傾向にあります。

・個人的な感想ですが、ネックが振動し過ぎていたのが収まって、殺されていた帯域が出てるような傾向にあります。

・個人的な感想ですが、箱物ギターやソリッドギター等は、バランスが良くなって音抜けが良くなる傾向にあります。

・燻煙しているため木材内部のセルロース、リグロースを固めているため温度、湿度変化への耐性があるため日本の経年変化による湿度、温度でも一般的なネック材よりも安定性があり、燻煙していることによりネックが反り難くなります。
ただし急激な温度と湿度の高い場所に放置すると木は吸収しやすい性質の為厳禁です。

・飛行機での気圧においてもセルロースの安定性があるため外部からの影響を受け難い性質があります。

・外部からの湿度の動きや反りに抵抗が働き加工された寸法位置が変動することはありません。

・燻煙しているため経年変化による木材収縮がありません。
ただし経年変化による弦が接触する指板の減りは別である。

・ 燻煙処理されることにより木材の微細構造は自然な経年変化で何十年も経過したような木材変化となり、さらに剛性を維持しながら密度が軽減(含水率、樹液等)していることで音の振動が早く、音質が改良され何十年も経過したギターのような鳴りのある音質になります。

・ 低含水率で処理加工されているため何10年も使用されたギターの鳴りに近いような音質となります。

・有害な化学的処理を含んでいないため安全にお客様へ提供できます。

・一般的な弦楽器木材に比べて湿度や温度または木材の反り等に強いため、ネックの製造過程において通常のネック材よりも製作期間が若干短く製作できる。

・ローステッドウッドは衝撃(ネジの取付でも割れることがある。)により木材が欠け易い性質があるが、燻煙木材は一般的な木材と同じように精油分が木材内部に残っているため衝撃を加えてもローステッドよりも欠け難い。

・燻煙処理していない木材と比べ、抗菌作用があるため腐り難い。

・ローステッドウッドのように強引に樹液、水分を排出していない為、木材内部に油分を残しているためローステッドウッドよりも衝撃に強く、木材が割れたり、欠けたりし難い。
ただし角度付きネックは注意が必要。

・木材の接着不良が起き難く、塗装もし易い。

・木材が炭化していない為、木材が呼吸しています。

・ローステッドウッドのように強引に樹液、水分を排出していない為、燻煙中の木材内部の水分や不純物が一定で排出されるので燻煙後の水分バランスが良い為、木材の重量バランスが良い。

・一般的なギターでは生鳴り時のデジベル数は80デジベル前後ですが、木材の種類やネックジョイント等により異なりますが燻煙木材加工にすると85-95デジベル前後となります。

・トラスロッドによる修正が効き難い場合においての順反り、逆反り、ハイポジ落ち等の場合(左右の反りの修正は出来ません。)には金属板を使用して強制的にネックを修正することが可能であります。
ただし反りについては修正可能な場合と修正が不可能な場合もあるため実際に行ってみないとわかりません。
また金属の板材を巻きつけた部分の痕跡(ヤニ痕)がネックグリップに付きます。

燻煙木材のデメリットについて (個人的な感想です。)


・燻煙木材は木材が曲げ難いため、ドロップトップ等の曲げ工程はやり難い。

・木材が硬くなるため一般的なネック材よりも加工中に木材がチップしやすい。

・一般的な木材に比べCNCルーターの加工速度を遅くして加工するため時間や日数が掛かる。

・オーダーギターの場合は、一度目の燻煙乾燥木材では材料段階で行ないますので、木材が安定するまで1か月ぐらい掛かり、さらに加工段階で2度目の燻煙乾燥処理を行ないますのでさらに木材が安定するまで1か月ぐらい掛かる。

・木材が収縮するので、木取りする時は通常よりも厚み、長さ、幅が少し必要

・木材を削ったり掘削等すると臭いはかなり軽減されるが、1年ぐらい臭いが発生する場合がある。

・ヤニの付着が多い為塗装している商品には不向きである。

・塗装処理やコンパウンド等で燻煙の臭いはかなり軽減されるが、たまにアレルギーを持っている人は臭いで受付けないことがある。

・燻煙加工処理後2週間〜1か月ぐらいで木材が安定するため時間と日数がかかる。

・日本の高温多湿の環境に耐えられる木材となりますが、経年変化や季節毎による湿度、温度により稀にトラスロッド調整が必要となる場合があります。

・稀にギターの保管環境(温度・湿度等)が悪い場合はネックが大きく反る場合があります。
ただしRostedwoodで製作したギターより少ないですが、湿度、温度、季節毎の変化によってネックが反る場合(トラスロッド調整が必要)があります。

・新しいネック材に接着したバインディング材もヤニが浸透する。

・燻煙加工中に樹脂製のナット材は溶けたり、変形することがある。

・素材にヤニが浸透しやすい。

・極稀だがフレット交換の時にフレットプレスを使用しても指板材が欠けたり、割れたりすることがある。

・Roasted woodよりも少ないがフレット交換時にフレットを指板から取外す時に指板の欠けが大きく発生することがある。

・通常ハンマーによるフレット打ちは指板の割れ、欠けが発生することがあるのでハンマーによるフレット打ちは出来ない。ただしTemperament指板は一度別指板にフレットを入れてから本製品指板にフレットを取り付けるので可能である。

・特にリペアにおいて木材の材質によってネジ止めやフレット打ちの時に木材が割れたり欠けたり等の現象があります。ギター修理においては燻煙木材加工処理する場合は木材の材質によって大きく左右されるためギターリペアでの保証は一切ありません。

・ギターリペアにおいては燻煙木材加工をすると2mm前後木材が収縮される場合があります。
この場合で発生する現象としてはピックガードや裏パネル等の穴とボディやペグ穴等の位置のズレ、ネックポケットの収縮、ネック痩せ(フレットの出っ張り)、指板の細かいネック波うち、フレットの反り、指板の含水率が多い場合には稀にフレットの位置がずれている場合があります。
ただしフレット位置に関してはブリッジサドル等で修正すれば問題はありません。

・特に塗装されていない指板やネック材等の木材表面は水分が無くなるためパサついた感触となります。ただしレモンオイル等で保湿することで元の状態に近くなりますが感触は少し異なります。