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ギターオイルフィニッシュ塗装について

ギターに使用するオイルフィニッシュ塗料について

当工房ではオイルフィニッシュに使用する塗料は、ワトコオイル、亜麻仁油、ウレタンオイル塗料、ウレタンニスの4種類を用意していますので、この4種類からボディの塗膜を選択して下さい。
塗料は肌触りが微小に異なります。
ウレタンニスはスプレー塗装となり、オイルは専用のウエスを使用した塗装方法となります。

注意事項
ウレタンオイルはウレタンの良さとオイルの良さを足したような商品ですが、オイルと同様に塗膜が極薄なので肌触りは略オイル塗料です。

ギターボディのオイルフィニッシュの再塗装について

ギターのボディやヘッドに塗ったオイルを塗った場合は再塗装は出来ません。
何故できないかと申しますと、オイル塗装は意外と木材深部まで染み込んでいますのでオイルが染み込んだ層までペーパーで削ることになります。
そのため特にネックグリップやボディ材の薄いコントロールキャビティの厚みが薄くなりますので、ボディ材では演奏中やちょっとした衝撃でボディに欠けやヒビ等による破損が起り、ネック材ではネックグリップの厚みが薄いとトラスロッドやサポートトラスロッドが出ることがありますので再塗装は出来ません。

オイル塗料の着色とは(ウレタンニス含む)

木材生地に直接ギター専用の油性ステインまたは水性ステイン等で着色した上からオイルまたはウレタンニス等を塗る方法、油性または水性ステインで塗った後にワトコオイルとパウダーを混ぜて塗装をする方法があります。
ワトコオイルとパウダーを混ぜた場合は木材の目地に擦り込むことで色が定着し、逆にステインは木材生地に染み込みます。
ワトコオイルとパウダーを混ぜた場合は目地に擦り込むだけなので演奏中や僅かな傷または摩擦等によって剥がれることもありますが、ステインは木材生地に染み込んでいますので傷が付かない限り色が落ちにくいのが特徴です。
オイルフィニッシュ塗装の中においてウレタンオイルは耐久性が一番ありますので、ステイン着色後によるトップコートを数回塗ると塗膜が薄く出来るので演奏中や極僅かな傷にも強く、そして紫外線による劣化にも強いのが特徴となります。
ただしウレタンオイルはラッカーやウレタン等よりも塗膜が薄いので衝撃による塗装面の欠けや傷等が付きやすいのが欠点となります。

注意事項
ステイン着色後にオイルを塗ると酸素と結合して色彩が変化し、経年変化や保管状況により色彩が変化することがあります。
亜麻仁油、ウレタンニス、ウレタンオイルとパウダーは混ざり難く、木材に定着しませんのでパウダーとの併用は出来ません。

ネックグリップの肌触りについて

ネックのオイル塗料はワトコオイル、亜麻仁油、亜麻仁油+ミネラルオイル、ウレタンオイルの4種類となります。
この木材の生地調整、研ぎ塗りのペーパー調整と塗るオイルの種類により肌触りが異なります。
当工房においての滑りの感触としては差異はありませんが、手触りが少し異なります。

耐久性の順として
ウレタンオイルは天然蜜蝋ワックスを配合した天然植物オイル主剤とウレタン樹脂硬化剤からなる2液性オイルフィニッシュなので、一番耐久性が高く、滑りが良いオイルフィニッシュで、蜜蝋ワックスが配合されていますので他の2種類に比べてしっとり感のようなものがありますのでネックグリップに指が吸着しているような感触となります。

ワトコオイルはイギリス製なので特にイギリスの某有名なギターメーカーでも使用され、滑りもよく、ウレタンオイルに比べて耐久性は劣りますがフェンダータイプのネックの修理にも使用されています。

亜麻仁油は古くからギターに使用されている塗装方法で、特にアコギやフォークギター等でも使用されていますので安心して使用出来ます。この中でも一番耐久性が劣りますがミネラルオイルを含ませると艶や色の変化等を保護することが出来ます。ミネラルオイルについては下記をよく読んで下さい。

ネックグリップの工程について
1:木材やヘッドを生地調整する。
2:空気圧で汚れを吹き飛ばし、目に見えない埃と静電気を特殊なペーパーで取除きます。
3:オイルを塗り、塗料が乾燥する前に耐水ペーパーで研ぎ塗りをし、ウエスで余ったオイルを拭き取り、1次乾燥させます。この耐水ペーパによる研ぎ塗り工程とオイル拭き取りにより感触は異なります。
4:湿度や温度または木材の種類により異なりますが、同じ工程を2回から3回行います。
5:2−3日よく乾燥させたら完成となります。


ミネラルオイルについて
ミネラルオイルは、塗ったオイルの経年変化による艶や色の変化等を保護するために使用します。
一度塗ると半年間から1年ぐらいは艶や色の変色等の維持は出来ますが、経年変化による手の擦れや傷等が出来ると保護材が徐々に削られオイル塗装面の状態へと変化します。
滑りやグリップの感触は一般的なオイル塗装のネックと変わりありません。
なおミネラルオイルで再塗装することも可能ですが、傷や擦れ等があると黒く変色することがありますのでご注意下さい。
またネックの維持目的であれば蜜蝋ワックスで塗り、ネックグリップを保護することも可能ですが、ネックグリップの感触が異なりますのでご注意下さい。

注意事項

ネックグリップに使用する蜜蝋ワックスは滑り止めになってしまう商品もありますので、滑りを優先する場合には必ず他の板材にオイルを塗り、オイル乾燥後に蜜蝋ワックスを塗って指で感触を確認して下さい。

無塗装の指板保護材について

当工房で使用する指板保護材は特殊なオイルで保護した後、蜜蝋ワックスで指板を保護します。
お客様がオーダーギターまたはセミオーダーギターの指板保湿材と使用していただく別途商品は蜜蝋ワックスを購入して下さい。
当工房では日本製の蜜蝋ワックスを使用しています。


最安値の塗装について

原油価格の影響で塗料も高騰しています。
オーダーギターまたはセミオーダーギターを注文する場合での見積料金の価格帯は現時点での料金価格となり、有効見積期間内であれば値上げは致しません。
     
燻煙木材やローステッド木材等でボディとヘッド(ネックグリップはオイルの場合)の現時点での一番安い方法での塗装方法はマイカまたはカメレオンパウダーを含ませたワトコオイル仕上げとなります。           
マイカパウダーは塗装をするとメタリックみたいな金属質の塗装となります。                       
下地にステイン塗料を塗りその上からマイカパウダーまたはカメレオンパウダーを塗ります。
ワトコオイルの場合は1万2千円〜となります。

ラッカー塗装やウレタン塗装にする場合には艶消し塗装が最も安い塗装となりますが、ペーパーによる磨き上げがありません。この場合の塗装は着色や塗料により異なりますが2万8千円〜となります。



                                     
カメレオンパウダーの下地はブラックステインとなり、ワトコオイルの場合はその上から2回から3回ほど塗ります。ただし虹色度は通常の塗装と異なり、虹色度の発光度は薄いのでご注意下さい。
マイカとはケイ素(Si)、アルミニウム(Al) 、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)を主成分とする鉱物で様々な色が販売され木材に塗装をするとメタリックみたいな金属質の塗装となります。
ラッカーの上にウレタンニスを吹き付けた場合は経年変化により塗装面の割れ、欠けに発展しますのでラッカーの場合の上塗りはラッカーのみとなります。                                   
オイル仕上げの場合は塗膜は薄いので経年変化による摩擦や擦れ等で色落ちしやすいので注意して使用して下さい。                                              

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