ギターの状態や季節や雨季にもよりますが、燻煙加工日数は平均5日ほど掛かります。
燻煙後2−4週間前後期間を開けてからパーツの組込みやギター加工へ入ります。
加工の都合上によりボディ、指板、ヘッドのバインディングまたはナット等は接着してから燻煙処理します。
加工段階で燻煙処理をした場合、シートを被せて燻煙処理をしてもバインディング、ナット、フレットにヤニ等が付着し化学変化でヤニが素材に浸透してしまいます。
バインディングやナット等にヤニが浸透しても良いと思うお客様のみバインディング付きのネックを注文して下さい。
ただしお客様からのご要望で材料段階のみで完全に燻煙処理してくださいとのご要望の場合は通常の2ー3倍以上の日数を要して燻煙処理いたしますが、この場合は別途10,000円掛かりますのでご注意下さい。
注意事項
2-3倍以上の日数を要して燻煙処理した場合おいても木材の材質により稀に木材へ浸透し難い場合があります。
この場合は木材を削った時に木材表面への浸透がまばらになっていることがありますので、木材表面の色付きがまばらになっていることがあります。
この場合には浸透率が悪いのでもう一度燻煙処理をすることになりますのでご注意下さい。
加工段階で燻煙処理をした場合、シートを被せて燻煙処理をしてもバインディング、ナット、フレットにヤニ等が付着し化学変化でヤニが素材に浸透してしまいます。
またフレット、ナット、バインディングを取付けた状態で燻煙処理をしないとフレット溝やナット溝等が収縮し、フレット溝の歪みやフレット溝の切り直し等があります。
注意事項
1:樹脂製のナットは熱により溶け出したり、歪んだりしますので牛骨等の交換が必要となります。
2:フレット溝、ナット溝周辺の木材が収縮しますので稀に木材の材質の関係で木材表面のひび割れが発生することがあります。
3:木材が燻煙の影響で木材が収縮しますので、ボディ材やネック材が収縮しますので穴の位置や寸法が狂うことがあります。
4:木材、ナット、バインディング、塗装面等にヤニが浸透しますので変色が必ず発生します。
5:バインディングの素材がセルロイド素材の場合は燻煙作業中に引火する可能性が高いので燻煙木材加工は出来ません。
ギターを燻煙処理しますと、特に木材が内側に収縮しますのでフレット位置(金属製のフレットを打ち込んでいる場合はあまり動かないが、絶対とは言い切れません。)、ネックポケット、ピックガードのネジ穴位置等が動きギタースケールの位置等が狂うこともあります。
リペアではネック本体の燻煙処理は通常いたしませんが、それでも既存のボディ材と既存のネック材を燻煙処理したい場合は当工房の保証はありませんが燻煙処理いたします。
さらにフレット交換またはネジを締めた時に指板材や木材が欠けたり割れたりする可能性があります。
この現象は木材が収縮して木材含水率が低下し、木材の材質が起因する影響によって割れたり欠けたり等があり、この場合による保証はありませんのでご注意下さい。
ヤニの付着を軽減させるためにギター全体またはボディ本体、ネック本体にシートを被せますが、特にラッカー塗装されたボディやヘッド等にシートが密接していた場合はシート跡が残る場合がありますのでご注意下さい。
上記の現象による故障等の損害(人身事故、災害事故等)及び社会的な損害(金銭、時間等)に対しては、保証対象外となります。
ギター製造時または修理されたバインディングの素材にはセルロイドが使用されていることがあり、このセルロイドは硝酸セルロースと樟脳を混合して熱可塑性樹脂で成形されていますが経年変化による素材の劣化や湿度温度の変化等により自然発火し大変燃えやすい素材のため第5類危険物指定されております。
さらにセルロイド素材は経年変化の劣化の影響により素材の縮み、素材の割れ、欠け等が起こりやすいため取り扱いがしずらく、修理の際に使用するヒートガン、ドライヤー、加工修正した時のセルロイドの素材の屑あるいは太陽、紫外線、夏場の気温、暖房、エアコン等のちょっとした影響で自然発火することがあり最悪の場合は火災が起きる可能性があるため当工房ではセルロイド素材での交換修理または劣化したセルロイド素材の修理や当工房へのギターの持込は出来ません。
セルロイド素材は危険な素材を含んでいるのでギターの燻煙木材加工中によるギターの発火が起きる可能性が大きいたセルロイド素材を含んだ当工房へのギターの持込は出来ません。
セットネックギターのネックポケットとネックヒール部との接着剤による接着不良やネックヒール部の加工不良等があった場合は、燻煙加工中による木材収縮の影響によってネック材とボディ材が外れることがあります。
特にG社やE社等の海外製の製品が多いのでご注意下さい。
なおこの問題はギターのモデルや金額が高いだろうが安いだろうがかは関係ありません。
ギターのネック側はペグ穴を利用してギターを吊るしボディ側はストラップピンのビス穴にネジピンを取付けしてギター吊るして燻煙加工いたしますが、ネックとボディ材とが外れた場合は確実にギターが破損しますので保証は一切ありませんのでご注意下さい。
なぜ保証がないかと疑問になるかと思いますが、ギターの場合は常に70Kg以上の弦張力に耐えられるように設計とネック接続部の強度が求められ、燻煙加工中は弦やパーツを全て取外すため弦張力も無く、そしてパーツによる重みも無いので低温度の燻煙程度でネックとボディ剤が外れること自体が不良品であるため当工房では一切の保証は致しません。また燻煙後にギターに弦を張った場合でもネック材がボディ本体から外れることがありますが、これらの現象は製造したメーカーでの責任であり当工房では一切責任を持ちません。
上記による故障等の損害(人身事故、災害事故等)及び社会的な損害(金銭、時間等)に対しては、保証対象外となります。
燻煙乾燥加工するとボディ材全体が内側に収縮しますので、ネックポケットの再加工が必要となる場合があります。
ネック本体も同時に燻煙加工処理しますと何とかネックポケットに収まるレベルですが、稀にネック接合部が入らない場合もあります。
この場合ネックポケットまたはネック接合部のどちらかを削ることになります。
極微小の場合で安全性を要する場合は、もう一度燻煙窯で調整するか、あるいはネック接合部を耐水ペーパーで削り調整をします。
またネックポケット内部に付着している塗装を落すことでネック接合部が入る場合もあります。
オイル塗装のネックで耐水ペーパーで削る場合はもう一度オイルフィニッシュ塗装をしなければなりませんが、燻煙後に行うと染みになりやすいのでご注意下さい。
燻煙後のネックポケットをトリマーやルーターで削ると木材が乾燥しているためネックポケットが欠けたり割れたりいたします。
上記による故障等の損害(人身事故、災害事故等)及び社会的な損害(金銭、時間等)に対しては、保証対象外となります。
木材の種類や木材含水率等により異なりますが燻煙加工処理をすると2mm〜3mm前後木材が内側方向に収縮されるためネックポケットの長さが短い場合はお断りする場合があります。
ネックポケットの前端部の形状が角型の場合は75mm以下の長さ、ネックポケットの前端部の形状が丸型の場合は65mm以下の長さはお断りをいたしますが、形状を確認しないと判りませんので事前にボディ裏面の形状とネックポケットの長さの写真をメールで送信して下さい。
ボディ材の木材が収縮されるとピックガードのネジ穴、コントロールキャビティのネジ穴位置等も移動し再穴加工をしなければなりません。
またネック材を燻煙加工した場合は、ギタースケール、フレット位置等の寸法の狂い、ポジションマークの凹凸、フレット痩せ、フレット浮き等が出来る場合がありますのでご注意下さい。
それでも燻煙処理を行ないたい場合は当工房の保証はありませんが燻煙処理加工をいたします。
上記による故障等の損害(人身事故、災害事故等)及び社会的な損害(金銭、時間等)に対しては、保証対象外となります。
状態によりヤニが多く付着していた場合は耐水ペーパーまたはスチールウールでネック全体の表面を軽く削って出来上がりますが、燻煙前にネック本体に深い傷や凹凸がある場合は修正は出来ませんのでご注意下さい。
燻煙をした場合は変色したり色合いが変化したりし、さらに再オイルフィニッシュすると色合いが変化しますのでご注意下さい。
お客様からのご依頼でもう一度オイルフィニッシュ塗装をしたい場合は、ネック全体を確認した後にお客様宛にご連絡をいたしますが、再オイルフィニッシュすると色合いが変化しますのでご注意下さい。
上記による故障等の損害(人身事故、災害事故等)及び社会的な損害(金銭、時間等)に対しては、保証対象外となります。
レモンオイルや蜜蝋で指板を保護していても、ネック全体にシートは被せているが燻煙窯に入れると木材の含水率は低下し木材の表面はガサガサやパサパサになりヤニも付着します。
特に大きいインレイやインレイ加工されている貝等の素材、フレット、指板材に付着したヤニとナットに付着したヤニは取り難いので、作業処理に時間が一番掛かります。
インレイの凹凸が目立つ場合はフレットを外して指板すり合わせと再フレットが必要となりますのでご注意下さい。
特殊な洗剤で指板のヤニを落した後蜜蝋またはレモンオイル等で指板を保護しますが、特殊な洗剤を使用した後でもヤニが付着して取除けないことがありますのでご注意下さい。
上記による故障等の損害(人身事故、災害事故等)及び社会的な損害(金銭、時間等)に対しては、保証対象外となります。
ネックはトラスロッドでネックを平行にしてから燻煙加工します。
ただしお客様の所有しているギターのネックの状況が元々ネジレや極度の逆反り、順反り、ハイポジ起き等がある場合はネックの燻煙加工は出来ません。
ただし順反りや逆反り等の状態で金属アルミで直線状にネックを強制することは可能となりますが、ネックグリップにヒモ痕が残り、さらに完全に反りを戻すことは出来ない可能性もあります。
この場合での強制費用は別途となり、状態により金額は異なります。
それでもギターの燻煙加工をしてほしいと強く願った場合は加工をすることは可能ですが保証はありませんのでご注意下さい。
ネック本体の材質により元々木材にネジレや反りが発生している場合は、ネジレや反りが酷くなるのでネック本体の交換をお勧めいたします。
上記による故障等の損害(人身事故、災害事故等)及び社会的な損害(金銭、時間等)に対しては、保証対象外となります。
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